ソフトをダウンロードしてフォトブックを作る
MenuClose

写真家 川野恭子インタビュー

川野恭子が作り出す、大人の絵本のような「MyBook FLAT」

MyBook FLAT とは?

見開き部分が180°フルフラットに開く新しいタイプのフォトブックです。

大人の絵本のような装丁と美しい印刷

MyBook FLATをはじめて見た時、ハードカバーのしっかりした装丁で、紙も厚くて見開き部分がフラットになる特徴は豪華な「大人の絵本」のような印象を受けました。

しかも、色がとてもきれいなんです。今までも色がきれいなMyBookでしたが、印刷全般で出しにくいと言われる海の青や彩度の高い色の再現域がより広がっているように感じました。青く透き通ったリゾート地のような海の色がきれいに出るので、旅行の思い出をまとめたりする時にもピッタリだと思います。思い出が美しいままフォトブックに残るのは嬉しいですよね。

「光」を意識して作ったMyBook FLAT

今回作った『Light reaches refractedly』は、絵本のイメージで作りました。
テーマは「光」で、タイトルの『Light reaches refractedly』は和訳すると「光は曲がって届く」という意味です。光は光源だけでなく、反射光や影、写り込みなども含まれていて、さらに写真を撮るという行為も「光をとじ込める行為」で、光というものを直接的・間接的に捉え、様々な切り口で表現しました。

MyBook FLATは見開きにした時、ノドがフルフラットになるので、見開きを紙面いっぱいギリギリまで使っています。見開きで使う写真は、部屋に飾りたくなるような1枚でも成立する力強い作品を集めました。

フォトブックを素敵にまとめる4つのヒント

テーマを作るとまとめやすい

フォトブックにまとめる時、写真をセレクトする基準になるテーマを決めるとまとめやすくなります。最初にたくさんある写真の中からテーマに合う写真をざっくり選んでから、構成を考えていくとスムーズにまとまります。今回は、20作品分( 40ページ)のMyBook FLATを作るつもりだったので、最初にそれより多い30~40枚程度に絞り込みました。

写真を言葉に置き換えて1冊の詩を作る

作品をざっくり選んでいる最中に、「この写真は絶対に入れたい!」という写真がいくつか見つかると思います。その写真の前後を別の写真で肉付けして、何個かの写真のグループに分けていきます。そんな時、私は1枚1枚の写真を言語化するように心がけています。1枚に短文の詩を付けて、言葉がうまく繋がるように順番を並べると、写真の並びもスムーズになります。言葉のないエッセイを紡いでいくイメージですね。

見る人が想像できる楽しみを残しておく

MyBookは文字を入れられるので、キャプションを入れることもできます。『Light reaches refractedly』をまとめる時、はじめは言葉も入れようかと考えていましたが、写真集を見る人が自由に想像する楽しみを残しておきたいので説明や文字は入れませんでした。

もちろん、思い出をまとめるなら、補足的な文章を入れるとわかりやすくなるので良いと思いますよ。

表紙に合ったフォントを選ぶ

今回のタイトルは、最初は『光は曲がって届く』という日本語タイトルでした。日本語でも良かったのですが、表紙の写真とのバランスを考えた時に、特徴的な光の曲線の写真の上に直線的な日本語の文字を載せると、写真より文字が目立つ印象になってしまいました。そこで今回はタイトルを英語に変更して、曲線が強い筆記体のフォントを写真の上に大きく載せました。色も写真の邪魔をしない、ワントーン薄いなじみやすい色を選びました。

大切な写真を宝箱に残すイメージでまとめよう

MyBook FLATは、「1枚1枚の作品を見せる」という要素が強く感じました。だから、写真の構成を考える時は難しく考えず、自分の好きな写真を宝箱に残すイメージで作っていくのが良いと思います。

『Light reaches refractedly』は撮り下ろしではなく、過去に撮った作品からセレクトし、まとめたものです。過去に何気なく撮った写真でも、写真集にまとめると新しい意味を持つことがあります。写真の意図や思い入れが変化するのも、光が曲がって届く現象であり、かつフォトブックにまとめる面白さだと思います。

川野恭子

写真家。神奈川県生まれ。京都造形芸術大学美術科写真コース卒業。Steidl Book Award Japan 2016 ノミネート。
システムエンジニアの職を経て、「空をより青く撮りたい」という思いからカメラを手にする。キッチンから野の花まで、日常の何気ない景色を独特の色と光で切りとる作風で女性からの人気が高まる。執筆や講師、トークショー、広告撮影など、多岐に渡り活動。最近は山に魅了され、山を媒体に川野の内面性を撮り続けている。
横浜にて写真教室「Atelier photo* chocot 」主宰。著書に写真集『山を探す』(リブロアルテ)、『はじめてのデジタル一眼撮り方超入門』(成美堂出版)、『写真家きょん♪のふわっとかわいい「ゆるかわ写真」の撮り方ノート』(宝島社)ほか多数。
川野恭子HP:KYOKO KAWANO WEBSITE
Facebook:Kyoko.Kawano.K

pagetop