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写真家 山本まりこインタビュー

MyBookは夢を叶える原動力


写真家・山本まりこさんは写真をフォトブックにまとめる時、「誰のためにまとめるか?」が大切だと言います。自分のためでなく人に作品を見てもらうために作るフォトブックは、写真のセレクトや構成はどう変わるのか? 山本まりこさんがフォトブック作りで大切にしている3つのポイントを伺いました。

Point1.表紙がMyBookの第一印象を決める

私は、旅に出て帰ってきた後、作品がたくさん溜まった後には必ずMyBookを作ってきました。私のアトリエには、本当にたくさんのMyBookがあるんです。MyBookの紙やプリントクオリティはとても高いので、本屋さんに並んでいる写真集のような仕上がりです。


中でも『Airy France』は本当に大好きで、私にとって宝物のMyBookです。

私は「Airy(エアリー)」というテーマで撮っていて、光や風を感じるような柔らかいトーンの作品が多いです。MyBookの「ラミネート加工-つや消し」という紙は、私が表現したい柔らかいトーンを美しく再現してくれます。手に持ったときも、しっとりと吸い付くような触覚で心地よいです。『Airy France』を作った当時は、表紙に「ラミつや消し」がまだなかったので、表紙の仕様は「ラミネート加工-光沢」で作りました。今回、新たに「ラミつや消し」を選べるようになったので、すごく嬉しいです。すぐに大好きな『Airy France』を「ラミつや消し」の表紙で作り直しました。


写真集の第一印象を決めるのは、パッと見た印象の視覚、次に手触りなどの触覚だと思っています。表紙が「ラミつや消し」になった『Airy France』が届いた時、「私の思い描いた発色だ」「ページをめくると気持ちいい」と今までの印象が大きく変わったので、「大好きな『Airy France』が生まれ変わった」と嬉しくなりました。


「ラミつや消し」の表紙は、本当にオススメなので、MyBookを作る時はぜひ試してもらいたいです。

Point2 MyBookを見せたい相手を考える

私がMyBookを作る時、一番意識していることは「誰のために作るか?」ということです。とくに表紙は大切です。

私は、旅の思い出や自分が大好きな作品は、いつでも手に取って何度も見返せる形で残しておきたいと考えています。ですからMyBookは、「わたしのため」に作ることがほとんどです。「わたしのため」のMyBookを作る時は、表紙は1番自分の好きな写真を使って、タイトルは1番好きなフォントで入れています。

『I’m traveling』『言の葉Airy』『Airy France』は、「わたしのため」に作ったMyBookです。『Airy France』の表紙は、フランスにあるモネの池の映り込みを写した淡い写真で、他の人には何が写っているかわからないと思います。でも、『Airy France』は「わたしのため」のMyBookなので、私が一番好きな写真を表紙に使いました。


反対に人にプレゼントをする時や、写真展などに置く MyBookを作る時は、人に見てもらうことを考え、手にとって見てくれている「あなたのため」に作ります。過去の展示用に作った『あいのしま』『あおいくに』『ちびももと中もも』は、たくさんの人に見てもらうことを前提に作った「あなたのため」のMyBookです。

たくさんの展示作品が並んでいても手に取ってもらえるように、特に表紙デザインやフォントには気を付けました。


例えば、猫がたくさんいることで有名な相島の写真をまとめた作品『あいのしま』は、表紙を見た瞬間「猫、かわいい♪」と思ってもらえるような写真を使い、タイトルはキャッチーな響きで平仮名表記です。さらに印象的になるよう、ハートマークは猫の足跡風のデザインにしました。

また、MyBookの表紙は、豪華でしっかりしたハードカバーと、めくりやすいソフトカバーの2種類が選べます。「わたしのため」に作る時は、大好きな作品を何度も見たいのでめくりやすいソフトカバーで作ることが多いです。展示で置いたり、人にプレゼントしたりする時は、しっかりとした重厚感のあるハードカバーを選びます。

Point3 文字や余白で構成に緩急をつける

私は写真のセレクトや構成だけでなく、タイトルの言葉選びや中に入る文章もすごく大切にしています。写真だけで構成したMyBookは、「わたしのため」に作ることが多く、自分の好きな作品を直感的に並べるのでページ数が多くても2時間程度で作ってしまいます。でも、文字を入れるMyBookを作る場合は、写真と文字のバランスを考えるのですごく時間をかけています。

MyBookはパソコンに入っているフォントはほぼ使えます。自分の好きなフォントを使えるのが嬉しいですね。「可愛い」「ポップ」「軽やか」「落ち着いている」「豪華」など、フォントにはそれぞれイメージがあるので、作りたいMyBookのイメージに合わせて選びます。「わたしのため」のMyBookはデザイン重視、「あなたのため」のMyBookは可読性重視でフォントを選ぶことが多いかもしれません。


写真と文章で構成する場合、文章を書きながら写真を選ぶとすごく時間がかかるので、私は写真と文章の作業は分けています。作りたいMyBookのイメージができたら、使いたい写真を100~200枚ざっくり選び、次に文章をWordでいっきに書きあげます。その後、編集ソフトのMyBook editorを使って、先に文章をレイアウトして、文章に合った写真をセレクトしています。


MyBook Editorは、見開きでレイアウトを作ったら、そのレイアウトを別のページにコピーすることができます。そうやって最初にフォーマット(型)を作って作業すると、文字のサイズや余白を揃えられるので文章をきれいにレイアウトできます。

MyBookの構成では緩急をとても大切にしています。例えば文字をレイアウトするときは、真っ白なページに入れるようにしています。写真の上に文字をのせることは少ないですね。『あおいくに』では、絵本のように作りたくて、思い切って文字だけのページを作りました。


MyBookでたくさんの作品を見て欲しい、残したいと思うと、つい写真をいっぱい入れたくなります。でも、文章だけの余白を活かしたページを作って、次の見開きの写真にドーンっと見開きの写真を入れると、構成にメリハリが付いて読み手を飽きさせません。大きな余白や文字だけの白いページは、読み手の心にゆとりをもたらすテクニックです。

宝物だからこそMyBookで作ってほしい


私が運営している写真教室では、レッスンの最後にMyBookを1冊作ってもらいます。それは「自分の作品集を作り上げる」喜びを味わって欲しいから。フォトブックを作った事がない方がほとんどなので、最初は難しいと四苦八苦していますが、作り終わるとみんな「すごく嬉しい」「大変だったけれど、作って良かった」と言います。そういう感想を聞くと、私も毎回嬉しいんです。

私はMyBookの品質は、最上級だと思っています。フォトブックメーカーはたくさんありますが、生徒にMyBookで作品集を作ってもらうのは、最上級の品質を知ってほしいからです。今は安いフォトブックメーカーもあるので、初めて自分がフォトブックを作るとなると、MyBookの品質の高さに躊躇してしまうかもしれません。でも、安いものから作りはじめてしまうと、最上級のフォトブックにたどり着くのはすごく遠くなると思います。最初に良いものを知って、やっぱりMyBookの品質はいいねと次回の作品づくりの意欲に繋がれば嬉しいですね。

「この瞬間を残したい」「自分の気持ちを表現したい」という気持ちで、みなさんカメラのシャッターを切っていると思います。これは作品だけでなく、子どもの成長や家族の記録でも同じで、全ての写真がその人にとって大切な宝物なんです。大切な宝物だからこそ、最上級のMyBookでまとめ、作り上げたときの達成感やいつか見返す時の感動を感じていただけたらと思います。

■山本まりこさんのインタビュー記事

作品集を残す経験、乗り越えた先に成長した自分がいる

山本まりこ

写真家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。撮影、執筆、講演、講師、テレビ出演など活動は多岐。2011年から熊野古道に通い、ライフワークにしている。著書は「エアリーフォトの撮り方レシピ」など10冊。写真集は「熊野古道を歩いています。」「AIRY COLORS」を出版。現在は神奈川県の小さな海まちの古民家暮らし。好きな食べ物はカレーとイカ。
Instagram:@yamamarimo
Twitter:@yamamarimo8

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